基本、実施計画案を了承 27日の市町村長会で提言へ 群島新ビジョン懇話会

2024年02月15日

社会・経済 

「奄美群島成長戦略ビジョン2033」に基づく2024年度から5年間の基本計画、実施計画案を了承した奄美群島新ビジョン懇話会=14日、奄美市名瀬

奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授、委員17人)は14日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で第7回会合を開き、奄美の10年後を見据えた2024年度からの「奄美群島成長戦略ビジョン2033」について、前期5年間の基本計画案と実施計画案を了承した。27日に開かれる奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)で高岡会長へ案に関する提言書を提出し、両計画が策定される見込み。

 

成長戦略ビジョンは、奄美群島12市町村が一体となって将来像を描き、実現に向けた推進施策などを示す10年計画。24年度からスタートする新ビジョンは昨年2月、群島市町村長会の承認を得て策定された。

 

基本計画案では①つなぐ宝②稼ぐ力③支える基盤―を柱とする▽自然環境▽農林水産業▽観光/交流▽エネルギー―など10分野について、群島全体と島ごとの基本方針、基本方策を示した。ビジョン実現に向け民間、金融、行政など各機関の役割も掲げた。

 

ビジョン達成度を評価する指標に群島全体で取り組む「全体指標」、各島固有の特色を考慮した「独自指標」、定性的な指標として「参考指標」を設けた。全体指標の具体例では、前期計画終了の28年度時点の数値目標として▽人口9万5562人▽農業産出額370億円▽1人当たりの郡民所得272万6千円▽県民所得に対する格差95%―などを設定している。

 

実施計画案は奄美群島広域事務組合や広域組織などを実施主体とし、群島全体で実施する8プロジェクト、市町村が主体となり群島各島で取り組む136プロジェクトを盛り込んだ。

 

14日の会合では、前回の協議内容を基に事務局(奄美群島広域事務組合)が修正した案を提示。委員からは、群島全体で取り組むプロジェクトの中核を担う広域事務組合の機能見直しや官民連携による計画推進体制強化などの意見があった。

 

27日の奄美群島市町村長会では、今回出された委員からの意見を踏まえた修正案と提言書、現行ビジョンの成果検証に関する提言書を高岡会長へ提出する。