新ターミナル建設着工へ 2025年夏完成見込み 奄美市名瀬港

2024年02月15日

社会・経済 

名瀬港の現旅客ターミナル(左)と2号貨物上屋の間の新ターミナル建設予定地=14日、奄美市名瀬

県が進める名瀬港旅客ターミナル新築移転計画に伴い、2025年7月完成を見込む新たなターミナルビル(延べ床面積約2千平方メートル)の建設工事が近く、奄美市名瀬塩浜町の同港敷地

県が昨年公表した新ターミナル完成イメージ(臨港道路側)=県港湾空港課提供

内で始まる。14日は建設予定地で安全祈願祭があり、県大島支庁担当課職員や工事関係者ら約20人が参列。新ターミナルの無事完成を祈るとともに、奄美の新たな「海の玄関口」誕生へ期待感を示した。

 

県によると、1975(昭和50)年に完成した現ターミナルは2階建てで1階が1号貨物上屋(保管場所)、2階が旅客待合所。南側に別棟の2号貨物上屋がある。新ターミナルは3階建てで、現ターミナルと2号貨物上屋の間に建設予定。総工費は約8億8千万円。完成後は現ターミナルを解体し、その土地に新たな貨物上屋を建てる。

 

新ターミナル内は1階に管理事務所や発券所、観光案内スペース、2階に店舗用スペースなどを設ける計画。各階、待合所としても利用できるようにする。多目的トイレやエレベーター、エスカレーター、乗降客用スロープなどバリアフリーに配慮した設備も整える。

 

さらに乗降客が船体備え付けの階段を使わずスムーズに移動できるよう、ボーディング・ブリッジと直接つながる乗降客用通路を2、3階にそれぞれ設置する。岸壁拡張など改良工事を進める国の事業とも連動し、同港の機能強化を図る。

 

14日の安全祈願祭で県大島支庁の瀬戸口淳一建設部長は、現ターミナルの老朽化に伴い、建て替えを計画した経緯を説明。新ターミナルについては外観や設備の工夫点などを伝え「奄美の新たな『海の玄関口』としてふさわしい施設となれば」と期待を寄せた。

 

工事を担う同市名瀬の建設3社を代表し、植村組の植村一代表取締役は「責任の重さに身の引き締まる思い。関係者で心を一つにして無事故、無災害を目指し、安全最優先で作業を進めたい」と意気込みを語った。