奄美、住民ら安堵の声 原因究明、対策徹底要望も オスプレイ飛行停止

2023年12月08日

社会・経済 

整備のため奄美空港に駐機する米海兵隊普天間飛行場所属のMV22オスプレイ。隊員らが機体に乗り作業を行っていた=2日午後1時40分ごろ、奄美市笠利町

11月29日の屋久島沖でのオスプレイ墜落事故から1週間。米軍は6日(日本時間7日)、世界全体でオスプレイ全機の飛行を一時停止させると発表した。陸上自衛隊は既に全機の飛行を見合わせ、国と鹿児島県などは一時停止を求めていた。米軍発表を受けて、塩田康一県知事は「要請を受け止めていただいた」と評価し、安田壮平奄美市長は原因究明を求めるコメントを出した。奄美群島の住民からは安堵(あんど)する声が聞かれた。

 

塩田知事は県庁内で記者団の取材に応じ、「県の要請を受け止めていただいた上での措置になったと考えている。どこであれ、こういった事故はあってはならない。屋久島の近くで事故が起きたということは非常に衝撃的なこと。住民の皆さんの不安も大きい。対策をしっかりとしていただきたい」と述べた。

 

安田市長は「(事故後)12月2日に奄美空港へオスプレイが離着陸するとの情報を得た際には、人命救助のためであり致し方ない一方、地域住民が不安を抱える中でのことであったため、安全飛行に万全を期すこと、もっぱら海上飛行すること等について、九州防衛局を通じて米軍へ要請した。飛行停止は、機体の安全性からの措置とのこと。まずは原因究明を尽くしていただきたい」などとするコメントを出した。

 

米オスプレイは事故を防ぐ「予防着陸」のためなどとして、たびたび奄美各地の空港を離着陸。陸自のオスプレイは日米共同訓練で10月奄美大島に飛来した。米オスプレイは墜落事故後も隊員救助などの目的で、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)所属の複数機が奄美空港を使用した。

 

元奄美市議で市民団体「奄美ブロック護憲平和フォーラム」代表の関誠之さん(71)は「本来なら事故後すぐに飛行停止するべきだった。機体の不具合を懸念して飛行停止にするなら、安全を保障できないまま奄美空港に飛来していたということか。極めて遺憾。日本政府の弱腰な対応も腹立たしい」と日米双方への憤りを口にした。

 

恒常化している米オスプレイの低空飛行を背景に、防衛省が騒音測定機器を設置した奄美市名瀬知名瀬の豊島勇蔵町内会長(65)は「(飛行停止は)現状からすれば最善の判断。事故数日前まで集落上空を飛ぶ様子が見られていたが、今後は海上ルートの飛行を徹底してほしい」と述べた。 米オスプレイは10月、徳之島空港にも予防着陸した。伊仙町の50代男性は「オスプレイに限らず、怖いな、と思う」、70代女性は「もし島で墜落したら、と考えるとやはり怖い」とそれぞれ話した。

 

徳之島町の60代と80代の女性3人は「亡くなった方が本当に気の毒。事故原因が分からないから(飛行を)止めるのではなく、原因が分かってから止める、というのでは遅いと思う。また事故が起こったら、島の近くに落ちたら、と思うと怖い。自衛隊は信頼がおける。でも米軍のことは分からないから、沖縄での事件や事故のイメージが残っており、怖い」などと話した。

 

天城町の30代女性は「事故後も奄美空港に着陸していると聞き、このままうやむやになってしまうのかと思ったが、飛行が止まったのであればまずは少し安心した。きちんと原因を確認してほしい。国や県も米国をしっかり追及してほしい」と語った。