奄美経済の高付加価値化を 知的財産活用へ協定 振興開発基金と県工業倶楽部

2023年09月01日

社会・経済 

連携協定を結んだ本田勝則理事長(右)と岸野敏和事業責任者(左)ら=31日、奄美市名瀬

独立行政法人奄美群島振興開発基金(奄美市名瀬、本田勝則理事長)と公益社団法人鹿児島県工業倶楽部(鹿児島市、岩元正孝会長)は31日、知的財産の活用促進に関する包括連携協定を締結した。商標権や意匠権、特許権などの知的財産に関する各種セミナーの開催や専門家派遣などを通し、奄美地域の経済活性化を目指す。

 

県工業倶楽部は経済産業省所管の独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が各県に設置する「知財総合支援窓口」事業を担っており、中小企業や大学などの知的財産の活用支援や、事業展開に向けた相談、特許出願の手続き支援などを展開している。

 

窓口担当者らによると、奄美関係でもこれまでに自治体マスコットキャラクターのデザイン・名称の商標登録や、地域団体が特産品の商標権を所有する「地域団体商標」の取得支援を行っており、知名度向上や類似製品との差別化、ブランド化につなげているという。

 

協定の内容は▽知的財産に関心のある企業などへの支援制度の紹介▽研修やセミナーへの講師派遣▽地元企業の知的財産権取得や有効活用に関する情報提供と助言―など。

 

同振興開発基金であった締結式で本田理事長は「全国の事例を知る専門家の助言を通して住民へ知的財産の活用について関心を高めてもらい、奄美の経済活性に欠かせない商品の高付加価値化につなげてほしい」と期待。

 

県工業倶楽部・INPIT鹿児島県知財総合支援窓口の岸野敏和事業責任者は「知的財産権は海外展開や地域ブランド化を考える上でも重要になる。まずはセミナーなどを実施して浸透に努めたい」と語った。