シマユムタを次世代へ 漫談、島唄・八月踊りも 奄美パークで方言イベント

2023年09月01日

芸能・文化

方言トークや島唄、八月踊りのステージがあったシマユムタ伝える会の方言イベント=31日、奄美市笠利町の奄美パーク

奄美の方言の継承に取り組む「シマユムタ伝える会」(鈴木るり子会長)が主催するイベント「ディ!まーじん シマユムタ・シマ唄でゆらおう」が31日、奄美市笠利町の県奄美パークであった。会員らがシマユムタ(方言)でトークを繰り広げたほか、島唄や八月踊りのステージもあり、訪れた人たちは奄美ならではの懐かしい響きに耳を傾けた。

 

イベントは、方言を後世に伝えることを目的に昨年から開催され、2回目。盆送り翌日で、奄美では仕事をしない「休業日」とされる旧暦7月16日に合わせて実施した。

 

ステージは島唄で開幕。続いて方言漫談「マガ(孫)とゆんきゃぶり」があり、今里信弘さんと孫の鈴木莉央さん(笠利小3年)が登場。数え方や体の部位・動物の名前などを方言で披露し、ユーモアを交えた流ちょうな掛け合いで観客の笑いを誘った。

 

方言トークでは、シマユムタ伝える会の鈴木会長、昇喜代子さん、安原ナスエさん、才田一男さんが、それぞれの出身集落の方言で思い出話などを語った。

 

後半は古仁屋八月踊り研究会のメンバーらが八月踊りを披露。曲の解説を交えながら、活気あふれる踊りで会場を盛り上げた。フィナーレの六調では観客も一緒に踊って交流の輪を広げ、奄美の文化の継承に向け思いを分かち合った。

 

笠利町節田の栄和弘さん(79)は「ばしゃぎん(芭蕉布)」の着物姿で来場。旧盆の時期は毎年伝統的な装いで過ごすという。「方言には奄美の歴史が刻まれている。(イベントは)子どもたちが島の文化を守っていくことにもつながるので続けてほしい」と話した。

 

鈴木会長は「これを機に方言を知る人たちがもっと使いたいと思ってくれれば。若い人たちにも、島の文化の根源は言葉だということを伝え、次世代につないでいきたい」と語った。