官民協働で回収作業 不法投棄ごみ1410キロ 天城町西阿木名

2023年01月12日

社会・経済 

不法投棄されたごみを回収する関係者=11日、天城町西阿木名

県産業資源循環協会奄美支部徳之島部会(会員11社)と天城町、県による不法投棄ごみの回収作業が11日、天城町西阿木名の投棄現場であった。約20人が2時間ほどかけて急傾斜地に散乱したごみ1410キロを回収した。

 

現場は同町徳之島中央家畜市場から徳之島町側へ300メートル離れた山道沿いの崖。過去にも不法投棄が繰り返されている現場で、昨年11月の合同パトロールで不法投棄を確認していた。

 

捨てられていたのはペットボトルなどの一般廃棄物のほか肥料袋などの産業廃棄物。家電や家具、ドラム缶や塗料の空き缶など大型のごみもあった。関係者によると、複数回かけて投げ捨てられたものがたまった結果と推測されるという。

 

ごみは急傾斜地に散乱していたため作業は重労働に。水分を吸収した畳など重く手作業では運べないごみが多かったため、大容量の袋に集めた後、クレーンを使って引き上げられた。

 

撤去作業に参加した県大島支庁徳之島事務所保健衛生環境課の松﨑尚也さん(30)は「農業用ビニールのごみは自治体や農協などで定期的に回収しているが、どこの地域でも不法投棄が多い。世界自然遺産の島に住む者として不法投棄が恥ずべき行為だという認識を持ってほしい」と訴えた。

 

徳之島、沖永良部島、与論島で産業廃棄物適正処理監視指導員を務める住信治さん(63)=天城町瀬滝=は「捨てることは簡単だが回収にはこれだけの労力がかかり、結局は島民全体の負担が増すだけ。『ごみは山に捨てればいずれ自然に返る』という考えは、今では通用しないれっきとした犯罪だということを理解してほしい」と呼び掛けた。