島の農作物加工場オープン 店舗併設「AMAMI FOOD STYLE」 宇検村
2025年04月15日
社会・経済

開所式でテープカットを行う関係者ら=14日、宇検村
タンカンやヨモギなど宇検村や島の農作物を取り扱う店舗併設型加工場「AMAMI FOOD STYLE」の開所式が14日、同村湯湾の現地で行われた。事業者は同村産の農水産物を使った加工品の開発販売を手掛ける奄美ポイントライン(宇検村湯湾、曽根伸泰代表取締役)。開所式には元山公知村長や施設関係者ら25人が出席し、加工場のオープンを祝うとともに施設や村の発展を願った。
規格外品や摘果タンカン、台風時に出荷できない農作物の有効活用を考えていた同社が、遊休施設となっていたウコン工場を借り受け、国の事業再構築補助金を活用するなどして整備した。
施設内には野菜や果物の洗浄、カット、乾燥、粉砕、製粉、真空パックができる設備が導入され、作業は村内の高齢者サークル「美人草」(栄雄大代表)のメンバーらが行う。

プレハブ冷蔵庫や食品乾燥機、製粉機などが導入されている「AMAMI FOOD STYLE」=14日、宇検村
美人草が村内の耕作放棄地で栽培したヨモギを乾燥、粉末化したパウダーはすでに島外の美容卸しの企業に納品を始めており、エステサロンなどで使われているという。
開所式で曽根代表取締役は「ここまで来れたのは皆さまのおかげ。(これまで廃棄されてきた)規格外品や摘果タンカンなど有効活用できる〝もったいないもの〟に価値を付け、利益に変えていきたい」と力強く述べた。
元山村長は曽根代表や関係者との出会いからの軌跡を振り返り「人の力のありがたさを感じている。物販や加工の場を介して、人と人とが出会って相乗効果をもたらし、宇検村の発展につながることを期待している」と祝った。
店舗では同社のパウダーを使った加工品や、村内、島内企業の商品などが販売されている。