喜界島でジオツアー 「サンゴの島」の成り立ち学ぶ マラソン大会に合わせ開催

2025年04月16日

地域

荒木中里遊歩道を散策するジオツアー参加者=14日、喜界町

日本ジオパーク認定を目指す喜界島で14日、島内の特徴的な自然環境などを巡って体感する「喜界島ジオツアー」(喜界島ジオパーク推進協議会主催)があった。島外から参加した14人が島内を巡りながら、世界的にも珍しい喜界島の成り立ちや島独自の文化、自然について理解を深めた。

 

喜界島は隆起したサンゴ礁が段丘を形成し、約10万年かけて現在の形状となった「隆起サンゴ礁の島」。10万年で200メートル、年平均で約2ミリという隆起スピードは世界屈指とされる。

 

ツアーは、日本ジオパーク認定を目指す取り組みの一環。13日の喜界島マラソンに合わせて開いた。

 

参加者は、同協議会副会長でツアーガイドの外内淳(とのち・すなお)さんの案内で、▽荒木地区と中里地区を結ぶ海岸の散策路(荒木中里遊歩道)▽8万年前の段丘の上にあり、島の段丘地形が一望できるテーバルバンタ▽国指定史跡「城久(ぐすく)遺跡群」▽阿伝集落のサンゴの石垣群│などを巡った。

 

約1万年前から続く完新世に隆起したサンゴ礁の段丘で構成される荒木中里遊歩道の海岸では、内陸へ向かうに連れて変化する植生など、島の自然環境に目を向けた。

 

神奈川県から島を訪れた平沼隆志さん(69)は「マラソン大会で初めて来島したが、喜界島の歴史というよりも地球の歴史を肌で学べる、すごい島。大人もそうだが、子どもたちにもっと知ってほしい島だと感じた。修学旅行などをもっと誘致してはどうだろう」などと話した。

 

ジオは「地球」や「大地」の意。ジオパークは地質遺産を含む一種の自然公園で、地球を学び、楽しむための場所。2025年1月現在、48地域が日本ジオパークに認定されている。喜界町は今月中に、日本ジオパーク認定申請書を審査機関である日本ジオパーク委員会へ提出する。