島人気分を満喫 「まるごと奄美」にぎわう 島料理やシマ唄など楽しむ 東京

2022年06月10日

社会・経済 

シマ唄や伝統芸能などで賑わった「まるごと奄美」ステージ=5日 東京、渋谷

東京にいながら奄美の島人気分を味わうことをコンセプトに掲げた体験型イベント「まるごと奄美」(同実行委員会主催)が、3~5の3日間、東京・渋谷の渋谷エクセルホテルで開かれた。関東を中心に大勢の奄美ファンや出身者が訪れ、奄美産の食材を使ったビュッフェスタイルの食事を楽しみながら、シマ唄や八月踊りなどの伝統芸能を鑑賞。ソテツの葉を使った創作体験や大島紬の着付け体験などを通じて島の文化に触れた。

 

奄美大島の民間事業者が主体となって実行委を組織し、初開催。会場内のメインルームでは、鶏飯をはじめとする奄美大島の伝統料理や旬を迎えたスモモなどを提供。黒糖焼酎は、17社の35銘柄が振る舞われ、里アンナさんや平田まりなさんらのシマ唄や大島紬のファッションショー、八月踊りも披露された。

 

別室では、奄美在住の作家による美術展が開かれ、県奄美パークの有川幸輝学芸員が作品を解説。田中一村の作品の複製画も展示された。大島紬の着付け体験や、三味線、指笛体験、ソテツの葉を使ったかご作りなどもあり、幅広い年齢層の人々を楽しませた。

 

運営委員を務めたリゾート施設「ばしゃ山村」(奄美市笠利町)取締役の奥圭太さんは「飾らない奄美の日常をストレートにお届けできたと思う。奄美独自の文化を東京都心で体験してもらうという目的は達成されたと思う」と語った。

 

都内から訪れた50代女性は「90代の母と奄美旅行を計画したが、母は体調が悪く同行を断念したことがある。母もきょうは両手を挙げて踊りに参加した。旅行に行けなかった母へのプレゼントになった」と満足げな様子で話した。

「まるごと奄美」実行委員メンバー=5日 東京、渋谷