島内外の経営者が交流 民間企画、連携の可能性探る 徳之島

2024年02月11日

社会・経済 

島内外の経営者らが参加した意見交換会=7日、伊仙町のほーらい館

徳之島の民間団体で活動する有志のグループ「徳之島にあるじゃない会」によるマッチング事業が7、8の両日、島内であった。島外の経営者29人が来島して島内を視察したほか、7日夕の意見交換会と懇親会には島内の関係者約50人も参加。交流を楽しみながら事業連携などの可能性を探った。

 

同グループは島内の社会福祉法人、商工会、観光連盟、NPOなどに所属する30~50代のメンバー6人で昨年結成。委員長は置かず、各委員が協働する形で活動している。マッチング事業は、全国の経営者と国内離島をつなげる事業を展開している「代表世話人株式会社」の杉浦佳浩代表(60)=大阪市=と協力し開催した。

 

島外からの参加者らは7日午前に徳之島入り。「行政」「農業・製造」「観光」と目的別の3グループに分かれて島内を視察したほか、闘牛も観戦した。

 

7日夕には伊仙町の徳之島交流ひろば「ほーらい館」で意見交換会と懇親会があり、島内から官民の32機関が参加。島内で生産された加工品の展示、即売ブースも設けられ、各事業者による商品紹介などもあった。

 

意見交換では徳之島の印象や視察の感想など、さまざまな声が出た。島への移動については「乗り換えはスムーズ。直行便でなくてもストレスは少ない」など肯定的な意見があった一方で、「徳之島が世界自然遺産だと知らなかった。島を挙げてもっと発信してほしい」との指摘も。

 

立食形式で島内産の食材を楽しむ懇親会参加者=7日、伊仙町のほーらい館

 

大阪市で外国人向けの求人サービスを手掛ける加地太祐さん(47)は「徳之島は初めてだが、これほど外国人の観光客、労働者が少ない土地は珍しい。成長の余地は大きい」と関心を寄せ、「観光面で富裕層向けの高額なサービスがないのが残念。魅力的な観光資源を活用したサービスを生み出してほしい」と課題も示した。

 

懇親会では、島内産の食材を用いた料理や黒糖焼酎を用意。「あるじゃない会」の一員でおもなわこども園副園長の松澤尚明さん(47)は「参加者は全員自費で来島しており、徳之島への関心の高さを感じている」と手応えを示し、「今回はあくまでも第一歩で、今後の継続が大事。内容を高め、徳之島の経済の活性化につなげたい」と意欲を語った。