廃棄物処分場の予定地白紙-喜界町

2014年06月19日

社会・経済 

 喜界町が湾地区に計画していた一般廃棄物最終処分場の整備をめぐって、町が建設予定地を白紙に戻していたことが、18日に開かれた町議会6月定例会の一般質問で分かった。当初の予定地は水源地や地下ダムに近く、住民から水質への影響を懸念する声が上がったため。町は既に、他の場所での整備を視野に作業を進めている。新たな候補地はほぼ絞り込まれているもようで、町は「生活環境調査への住民同意を得て、今年9月には環境影響調査に取り掛かりたい」としている。

 乾和夫議員の質問に町側が答えた。町計画の最終処分場は、クリーンセンターで焼却した一般廃棄物の焼却灰を地中に埋めて処理する施設。現在、同町で発生している焼却灰は県外へ搬出している。
 町は、国が自治体の廃棄物処理責任などを掲げた循環型社会形成推進地域計画に基づく交付金事業で施設整備を計画。稼働期間を15年間に設定、1万3千立方㍍の焼却灰受け入れを予定している。
 当初計画では湾地区の内陸部を建設予定地と位置付けていたが、昨年12月に湾、中里の両地区で実施した環境調査に関する住民説明会で、予定地の場所を理由に水質への影響懸念が寄せられたことから、町は沿岸部を中心に他地域での整備も視野に検討。本年度に入って、予定地の白紙化を決めた。
 一方で、新たな候補地については「ある程度絞り込めているが、環境影響調査への住民同意がまだ得られていないため、現時点では公表を控えたい」(住民課)と説明。同意が得られた段階で公表する考えだ。
 予定地が変更された場合も、施設規模は当初計画と同じ。町によると、総事業費は約14億1千万円(町負担は約3億円)。9月に環境影響調査がスタートした場合、来年度の実施設計を経て本体整備に着手、4年後の2018年度の完成を目指す。