本質伝える販促継続を 海外へ魅力発信に課題 鹿児島市で県焼酎輸出拡大会合

2022年09月13日

社会・経済 

県産本格焼酎の販路拡大に向けた取り組みなどについて情報共有した県焼酎輸出拡大等プロジェクト小委員会の会合=10日、鹿児島市の県庁

県内の酒造メーカーや県、国の関係者で構成する県焼酎輸出拡大等プロジェクト小委員会の会合が10日、鹿児島市の県庁であった。奄美黒糖焼酎を含む県産本格焼酎の海外への魅力発信に向けた取り組みについて情報共有。欧米などでの市場開拓では「焼酎の本質を伝えるなど正しいプロモーションを継続的に行うことが必要」といった課題が示された。

 

会合には同委員会顧問の塩田康一知事と森山裕衆院議員をはじめ、県酒造組合の濵田雄一郎会長ら関係者計29人が出席した。

 

県によると、県産本格焼酎の生産量は2004酒造年度、出荷量は06酒造年度をピークに近年はいずれも減少傾向にある。21酒造年度は生産量がピーク時の約42%、出荷量が約60%にとどまっている。

 

他方、輸出量は中国や韓国を中心に需要が回復。県は「国内では少子高齢化や消費者の嗜好(しこう)変化などに加え、新型コロナウイルスの影響で業務用を中心に需要が伸び悩んでいる。国内市場が縮小していく中で、海外への市場開拓が必要」と分析している。

 

22年度の取り組みでは今後、米国をターゲットに世界のトップバーテンダーらが対象の産地視察・セミナーを鹿児島を含む九州4県で連携して11月に実施予定。中国や台湾現地での焼酎プロモーションも行い、認知度向上と販路拡大を図る。

 

会合では焼酎の海外への輸出促進のため、▽酒造メーカー経営トップの積極的な取り組みへの関与もしくは現場への権限移譲▽「正しい言葉の置き換え」のできる翻訳者▽スピリッツ業界で圧倒的影響力を持ったプロフェッショナルとの協力関係構築-の必要性などが指摘された。