植物工場でレタスを安定供給へ

2018年11月29日

社会・経済 

レタスの水耕栽培用コンテナ=27日、奄美市名瀬知名瀬

レタスの水耕栽培用コンテナ=27日、奄美市名瀬知名瀬

  ㈱奄美大島宇検農産(本社・奄美市、渡慶道社長)は12月、コンテナ型植物工場でレタスの水耕栽培に乗り出す。気象変動に左右されず、年間を通して定質・定量の生産、出荷が可能で、同社によると、播種(種まき)から40日後には収穫できる。毎日80玉を生産する計画で、計算上は年間約2万8千玉の出荷が可能。来年1月下旬にも初出荷を見込む。

 

 レタスの水耕栽培は、青果物の安定供給を通した地域貢献活動の一環。コンテナは全長12メートル、幅2・4メートル、高さ2・9メートルで、26日までに奄美市名瀬知名瀬の社有地に設置した。

 

 内部には生育トレイを6段設け、216本のLED(発光ダイオード)と空調機器で室内の照度や温度を一定に保つ。農薬は使用せず、二酸化炭素と栄養を含んだ水を供給してレタスの育成に適した環境も維持する。

 

 27日、製造元の三進金属工業(本社・大阪府)から奄美大島宇検農産に引き渡され、関係者が内部などを見学。今後、三進金属工業の系列企業での技術研修などを経て、12月上旬の稼働を予定している。

 

 奄美大島宇検農産を含め複数の企業を統括する奄美観光グループの渡博文会長は「安定生産で、台風などで島外からの物資移入が止まった場合にも野菜を供給できるのではないか」と期待した。

 

 当面は奄美市内の青果店との契約栽培。将来的には生産品目や規模拡大も視野に入れいる。同社では「しばらくは社員がコンテナの管理を行うが、将来的には地域での雇用の可能性もある」と、地域への効果波及も見通す。

水耕栽培用コンテナの内部

水耕栽培用コンテナの内部