焼酎や紬、工芸品など販売 船橋市で鹿児島物産展

2020年12月03日

社会・経済 

リピーター客らでにぎわった鹿児島物産展の奄美酒類ブース=11月26日、千葉県船橋市

リピーター客らでにぎわった鹿児島物産展の奄美酒類ブース=11月26日、千葉県船橋市

 千葉県船橋市の東武百貨店船橋店で11月26日から今月2日まで、第20回鹿児島物産展が開催された。奄美からは9社が参加し、黒糖、ウコン、生キクラゲなどの食品類や、本場奄美大島紬、瀬戸内町産真珠などの工芸品を展示即売。コロナ禍で来場者が減少する中、奄美ファンらが訪れ、売り上げに貢献した。

 

 新型コロナウイルスの影響で、百貨店内の催事コーナーは従来の1フロアー集約から▽食品▽工芸品▽総菜│の3フロアーに分散。入り口ではサーモグラフィーで体温を測定し、アルコールによる手指消毒も呼び掛けた。

 

 物産展を企画・運営した公益社団法人鹿児島県特産品協会の遠矢喬志事業部長は「物産展は例年、通路が密になるほどの来場者でにぎわうが、今年は来場者と出展者の安全・安心を最優先に取り組んだ」と語った。

 

 奄美の真心を伝える努力が実り、売り場に奄美のリピーター客も多かったのも今回の特徴。奄美黒糖焼酎を販売した奄美酒類のブースでは「昨年購入した際に、お礼のはがきをいただいた。手書きの温かいメッセージに感動し、何としてでも会場に足を運ぼうと決めていた」(船橋市・70代男性)という声も聞かれた。

 

 工芸品フロアでは、大島紬の洋装も好評だった。出展した重田絹織物の重田忍代表(伝統工芸士)は「洋装でも映える生地を目指し、泥染めの糸を縦糸に配置。色糸を横に重ねて織ることで色彩に立体感を持たせた」と話し「物産展や展示会は生産者の声を直接届け、消費者の声に耳を傾ける大切な機会。良いものを長く愛用したいという声が何よりの励み」と語った。