環境文化協力金をPR ポストカード配布し呼び掛け 電子決済、煩雑さがネック 奄美空港

2022年12月25日

社会・経済 

環境文化協力金の趣旨を説明し、寄付を呼び掛ける職員ら=23日、奄美空港

奄美空港(奄美市笠利町)で23日、「環境文化協力金」のPR活動があった。あまみ大島観光物産連盟(有村修一会長)と奄美市などの職員が協力し、募金サイトのQRコード入りポストカードを空港利用者へ配布。野生生物の保護対策や伝統文化の維持などを使途とした募金へ、電子(キャッシュレス)決済での寄付を呼び掛けた。

 

同連盟では観光庁の2022年度「持続可能な観光推進モデル」の採択を受け、11月から「環境文化協力金」(仮称)の導入に向けた実証事業を開始。島内施設にポスターなどを設置し周知を図っている。来年1月9日までに徴収方法などを構築し、来年度以降に島内5市町村での条例制定を目指す方針。

 

募金には電子決済を採用し、人件費や現金管理を省く狙いだが、現状で利用可能なQRコード決済はみずほ銀行の「J‐CoinPay」と鹿児島銀行の「Payどん」のみ。「PayPay」などへのサービスは非対応で、県外からの来島者はクレジット情報などの入力が必要。煩雑さがネックとなっている。

 

空港では多くの利用者がポストカードを受け取ったが、その場でQRコードを読み取り募金を行うような姿は見られなかった。出発ロビーでカードを受け取った女性観光客2人は、2泊3日の団体旅行で神奈川県から来島。島内の施設やホテルでは協力金の告知に気が付かなかったという。他に「募金には賛成だがサイトにはアクセスしていない」「クレジット情報の入力は避けたい」との声もあった。

 

同連盟の境田清一郎事務局長は「電子決済はいかにスムーズに行ってもらえるかが重要だが、募金不可な決済サービスが多いことが浮き彫りとなった。今は課題の洗い出しがゴール」と述べ「まずは認知、趣旨を理解してもらえるように。航空機内は不可だったが、路線バスや貸し切りバス車内でも告知中。カヌーなど体験予約サイトへの広告も検討している」と話した。