盗掘・盗採防止で監視強化 奄美大島

2023年09月08日

社会・経済 

盗掘・盗採防止に向けてパトロールする関係者ら=5日、奄美大島(環境省提供)

世界自然遺産に登録されている奄美大島で希少な動植物の盗掘・盗採を防止しようと、関係機関による合同パトロールが5日夜にあった。各機関の担当者らが奄美大島中部の森を巡回し、密猟者や不審な車両に目を光らせた。希少なクワガタなどの活動が活発になる10月ごろにかけてパトロールを継続し、監視を強化する。

 

パトロールは環境省、林野庁、鹿児島県、島内5市町村で組織する奄美大島自然保護協議会、警察などが合同で実施。5日は13人が参加し、国立公園区域や林道沿いで数時間、昆虫採集用のトラップ(わな)の有無や不審な人物がいないかなどを見回った。

 

奄美大島では今年7~8月の夏休み期間中、無許可での設置が禁止されている昆虫トラップが奄美群島国立公園内などで複数見つかっているという。

 

同省奄美群島国立公園管理事務所の興津絵美自然保護官は「違法採集はもちろん、希少種以外でも大量に捕まえれば生態系に影響し、結果的に規制強化につながりかねない。子どもたちが自然と触れ合う機会を未来に残していくためにも、生き物への適切な接し方を考えてほしい」と述べた。

 

国立公園内で昆虫トラップなどを見付けた場合は電話0997(69)2280奄美群島国立公園管理事務所住用事務室へ。