神棚じまい、人材、業者必要 住宅不足問題でワークショップ 与論町

2024年02月08日

社会・経済 

住宅不足問題をテーマに意見交換したワークショップ=6日、与論町

与論町の住宅不足問題を考えるワークショップ(県大島支庁主催)が6日、同町役場多目的ホールであった。高校生、自治公民館長、役場職員など多様な職種、年代の町民23人が参加。問題解決に向け課題を共有した。空き家に残る「神棚じまい」など、先祖を大切にする島ならではの悩みや、人材、業者、資金の必要性などを指摘する声もあった。

 

奄美群島の住宅不足問題解決に向けた「家守(やも)りプロジェクト」の一環。町役場担当課が町の住宅を取り巻く現状や課題解決に向けた取り組みなどを説明した後、4グループに分かれて意見交換した。

 

町の将来像や生かしたいところとして、▽豊かな自然▽人のつながり―などの意見があった一方、改善したいところとして、▽建設業者、不動産屋など仲介業者の不足▽住宅問題に対する島民意識の低さ▽農地を宅地に転用する手続きの大変さ―などが挙がった。

 

最後に、住宅不足解消に必要な事として、▽コンテナハウスなど移動式住宅設置▽神棚の合祀(ごうし)(合同神棚の設置)▽空き家リフォーム業者の確保▽空き家を放置させないための条例整備―などの提案があったほか、「土地がないので、タワマン(超高層マンション)を建てて災害時は避難所に」などユニークな意見もあった。

 

参加した川畑日藍子さん(17)=与論高2年=は「建築に興味があって参加した。グループの周囲は大人で緊張したが、皆さん気さくで、くだけた雰囲気で意見が言えた。住宅不足は思った以上に深刻。機会があれば、島民にこの問題をアピールしていきたい」と話した。

 

ワークショップは7日も参加者を入れ替えて開催された。両日の意見交換の様子や内容は「与論町まちづくりかわら版(仮称)」として全世帯へ配布予定。