経済発展願い、夜空彩る コロナ禍、悪天候も実施 奄美群島一斉花火

2020年12月06日

社会・経済 

奄美群島8市町村16カ所で一斉に打ち上げられた花火=5日午後7時すぎ、奄美市名瀬

奄美群島8市町村16カ所で一斉に打ち上げられた花火=5日午後7時すぎ、奄美市名瀬

 奄美群島各地で5日夜、群島の広域的な経済発展を願う花火が一斉に打ち上げられた。群島内外で新型コロナウイルス感染拡大などに伴う中止や延期により、8市町村16カ所へ規模は縮小。青年世代の決意を示す大輪の花で夜空を彩り、群島を一つにつないだ。

 

 群島内の商工会青年部や連合青年団などでつくる「Island Pic実行委員会」(委員長・渡太郎奄美大島青年会議所理事長)が企画。当初は12市町村一斉で予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大や悪天候で龍郷、知名、与論各町で延期、瀬戸内町で中止となった。

 

和泊町内城

和泊町内城

 花火は5日午後7時に一斉に開始。奄美市の名瀬湾では雨交じりの空へ75発が打ち上がった。港など海沿いには車から眺める人々の姿があり、コミュニティーラジオ「あまみエフエム」は中継で花火の様子や関係者の声を放送。出演した渡委員長は「花火を機に若者世代を中心に一丸となり、群島全体を盛り上げていけたらいい」と語った。

 

 奄美市笠利町赤木名で打ち上がった花火を家族一緒に見た同町の主婦、里由香さん(38)は「花火が上がるのを子どもたちがと楽しみにしていて、『きれい』と喜んでいたので雨の中だったが見に来てよかった」と話した。

 

 徳之島町の亀津新漁港から打ち上がる花火を楽しんだ会社員、永山則久さん(43)=同町亀津=は「今年は新型コロナで多くのイベントが中止になったが、花火を見ることができて楽しい気分を味わえた。コロナの感染拡大で重苦しい徳之島の雰囲気が、花火で少しでも明るくなれば」と話した。

 

 和泊町内城の世之主神社から打ち上がった花火を眺めた同町和泊の30代女性は「きれいな花火を見て年末年始も頑張ろうと思えた」と言葉をかみしめた。