総搬入量37万4千㌧ 南3島は前期比減 22年産サトウキビ 奄美群島

2023年04月16日

社会・経済 

 奄美群島の大型製糖工場5社の2022―23年期(22年産)の原料サトウキビ搬入が5日までに終了した。5社の搬入量を合算した総搬入量は前期比1万1386トン(2・9%)減の37万4784トン。奄美大島と喜界島は増収、平均甘しゃ糖度が15度を超えた一方、徳之島、沖永良部島、与論島の南3島は搬入量、糖度とも前期を下回った。

 

生和糖業(喜界島)の平均甘しゃ糖度は15・69度と全5社でトップ。同社は「昨秋の降雨が少なく、12月半ば以降の平均気温が下がったことで登熟が進んだ。農家の適期収穫の協力もあり、品質が上がった」と分析した。

 

富国製糖(奄美大島)は前期比1631トン増の2万7495トンを搬入。前年比6・3%増加し、平均甘しゃ糖度も15度台を記録した。同社は「台風被害がなく生産量が増え、糖度も過去最高だった前期に迫り上出来」と総括した。

 

群島最大のサトウキビ産地・徳之島の南西糖業は、前期実績を1365トン下回る16万9131トンを搬入。同社は「生産者の高齢化で管理作業の委託が加速しているが、過度な委託のため結果的に管理不足になるケースが増えてきている」と懸念する。

 

与論島製糖の搬入量は2万3769トン(前期比873トン減)。平均甘しゃ糖度は前期を3・0度下回る14・09度にとどまった。同社は「製糖期に入っても思ったほど上昇しなかった。昨年11月の降雨量の多さや1月の寒波が影響した可能性もある」とした。

 

南栄糖業(沖永良部島)は前期比1万3564トン減の7万7865トン。8期ぶりに8万トン台を割り込んだ。長梅雨による管理作業の遅れや生育期(7~9月)の干ばつで収量が伸び悩んだことから、同社は「適期管理作業と水掛けで単収向上を目指してほしい」と生産者へ呼び掛けた。

 

平均甘しゃ糖度の各社実績は▽生和糖業15・69度(前期比0・28度増)▽富国製糖15・15度(同0・51度減)▽南西糖業14・31度(同0・38度減)▽南栄糖業14・81度(同0・78度減)▽与論島製糖14・09度(同3・0度減)だった。