被災地で救急外来業務に尽力 大島病院DMAT報告会 奄美市名瀬

2024年02月14日

社会・経済 

被災地での活動内容などを報告したDMAT派遣の報告会=13日、奄美市名瀬

元日の能登半島地震を受けて、1月下旬に被災地の石川県穴水町で活動した奄美市名瀬の県立大島病院の災害派遣医療チーム(DMAT)による報告会が13日、大島病院救命救急センター研修ホールとオンラインで開かれた。奄美群島の医療や行政関係者約60人が参加。活動内容や現地の状況、今後の課題などを共有した。

 

DMATは、大規模災害などの際に活動する専門的な訓練を受けた医療チーム。大島病院には医師3人、看護師8人、業務調整員3人が在籍しており、過去に2回の派遣実績がある。

 

今回派遣されたのは医師1人、看護師3人、業務調整員として臨床工学技士1人。1月22日に奄美空港から大阪(伊丹)空港へ飛び、医療資機材をレンタルしたキャンピングカーに積み込んで23日に穴水町入り。同町の福祉施設で入浴介助を行った。

 

24、25日は公立穴水総合病院で救急外来業務に従事した。医師の指示の下、検査や処置を実施した看護師の清水由希子さん(46)は「普段別々の所属ではあるが、1チームとして業務分担ができた」と振り返った。26日は早朝から病院内でおむつ交換や食事介助などを行い、撤退した。

 

石川県の公立穴水総合病院で救急車の受け入れ要請に対応するDMATのメンバーら=1月24日午前8時ごろ(提供写真)

 

医師の石畠彩華さん(33)は「(災害フェーズが)急性期から慢性期に移行し、被災者へより深いケアが必要とされる中、男女混合のチームは強みとなった」などと総括。「奄美群島が災害に見舞われる際には、陸続きではないことから島外からの急性期の支援は入りづらい。災害医療に精通する人間を一人でも多く育成することが重要」とも語った。