観光マスタープラン策定へ 奄美群島一体で取り組み促進 奄美市で初会合

2023年08月26日

社会・経済 

奄美群島観光マスタープラン(仮称)策定委の初会合=25日、奄美市名瀬

奄美群島の観光施策の指針となる「奄美群島観光マスタープラン(基本計画)」(仮称)の策定委員会(委員長・辰島月美宇検村企画観光課長)が25日、発足した。各島への経済効果の波及や、オーバーツーリズムの抑制など、マスタープランに沿い群島一体となった観光の取り組みを促進することで、持続可能な観光地づくりを進める。計画期間は2024~33年度の10年間。23年度中の策定を目指している。

 

策定主体の奄美群島広域事務組合によると、現在は島ごとに、観光計画に沿った施策が実施されており、群島で共通する観光施策に関する指針はこれまでなかった。

 

マスタープラン策定に向けては22年度から、先行して島ごとに意見交換会やヒアリング、第1回分科会を開き、「訪れてほしい観光客像」「群島全体で取り組むべきこと」などについて住民や観光関係者からの意見収集に取り組んだ。

 

第1回策定委員会には県や12市町村の関係課職員、観光関係団体の代表ら、オンライン参加を含め委員21人が出席。鹿児島大学南九州・南西諸島イノベーションセンター長の藤枝繁氏ら2人がオブザーバーとして参加した。

 

会合では分科会などでの意見を基に事務局が作成したマスタープランのたたき台を基に議論。「奄美群島の観光の目指すべき姿」について委員から「自分たちだけの要望ではなく、お客や事業者の声もしっかり反映したものでないと非現実的なものになる」「計画期間である10年後に、どういう島であってほしいか。それを実現する手段として観光として何ができるか、それを考えるのが大事」といった意見があった。

 

策定委の会合は今回を含め2~3回を予定。今後は10月ごろに第2回分科会を各島で開催するほか、大学教授らで構成する「有識者会議」も設置して専門家らの意見も聞く方針。