訓練終え、北海道への帰路に 「中央輸送隊」の姿も 自衛隊統合演習

2023年11月27日

社会・経済 

名瀬港に着岸した「ナッチャンWorld」と同船へ乗り込む陸自車両、輸送を支援する中央輸送隊の隊員ら=26日午前8時ごろ、奄美市名瀬

防衛省が事業契約する双胴高速フェリー「ナッチャンWorld」(1万549トン)が26日、名瀬港の本港2号岸壁に寄港した。10日から20日まで行われていた「自衛隊統合演習」のため5日に同船で奄美大島入りしていた北海道の陸上自衛隊員らと車両などを乗せ、午前8時45分ごろ、北海道室蘭市の室蘭港へ向け出港した。

 

統合幕僚監部によると、奄美大島での訓練には陸自旭川駐屯地(北海道旭川市)に司令部を置く北部方面隊第2師団所属の第2後方支援連隊、第2通信大隊など、約200人が参加。奄美市笠利町で統合後方補給・衛生訓練などを行った。

 

今回の北海道~奄美間の物資・隊員輸送は、国内2方面区や海外にまたがる災害派遣、演習、補給の輸送手配を一括する陸自の「中央輸送隊」が支援した。隊員や装備品の輸送は民間の航空会社や船会社も利用するため、同隊が輸送品の特性を踏まえた上で最適な輸送手段やCIQ(通関、出入国管理、検疫)手続きなどを管理、処理する。この日も中央輸送隊第1方面分遣隊(北海道・東千歳駐屯地)の隊員らが名瀬港での車両誘導や乗船支援を行い、出港を見送った。

 

同船は21日と23日にも隊員や車両の撤収、輸送のため天城町の平土野港へ寄港した。徳之島では、徳之島町花徳浜などで訓練を行った水陸機動団の隊員らが、訓練終了後に花徳浜の海岸清掃や同町山集落にある陸自第1混成団第101飛行隊殉職隊員慰霊碑の清掃、献花などを行った。