販路拡大へ品質保証議論 奄美大島産パッション 出荷量回復、単価は下落 23年度出荷反省会

2023年09月23日

社会・経済 

2023年度奄美大島産パッションフルーツの出荷・販売状況について報告、議論したJAあまみ大島事業本部の出荷反省会=22日、奄美市名瀬

JAあまみ大島事業本部は22日、同市名瀬の奄美大島選果場で奄美大島産パッションフルーツの出荷反省会を開いた。2023年度、島内5支所の合計取扱量は3108㌔(前年度比49%増)、販売総額は438万4千円(同24%増)といずれも回復。規格外品を除く製品単価は1449円(同21%減)と下落した。単価の維持向上につながる販路拡大へ、認証制度を活用した品質保証などについて議論した。

奄美大島産パッションの販売量、金額は20年度が9340㌔、837万1千円だったのに対し、21年度3258㌔、410万3千円、22年度1519㌔、257万4千円と低調に推移していた。
23年度、支所別の販売量、金額は▽名瀬1606㌔、241万1千円▽笠利471㌔、59万7千円▽住用836㌔、108万2千円▽宇検148㌔、19万1千円▽瀬戸内46㌔、4万9千円。

23年度産パッションは、定植が遅い一部の園地で高温障害が発生したが、全体として順調に生育した。収穫期の5月下旬には台風接近もあったが、大きな被害はなく、スムーズに集出荷を終えた。取扱量は目標を870㌔余り上回った。

単価の下落について、同本部の担当者は「通信販売業者の対応が遅れて需要を逃し、本土の各市場では他地域産が台頭している」と説明。対策については「今年度新たに新潟県の市場に出荷しており、今後も関西、中部地方など市場拡大を図る」と方針を示した。

販路拡大に絡み、出席者からは「K-GAP(かごしまの農林水産物認証制度)を活用するのはどうか」との意見も。「安全性は前提。第三者認証付きを好む仲卸業者も少なくない」「単価上昇につながるかは疑問。生産者の手間が増えるばかりでは困る」などさまざまな声があり、今後の検討課題として共有した。