防災機材を配備完了 支援したB&G財団と調印式 天城町

2023年04月01日

社会・経済 

配備された水上バイクの前で笑顔を見せる(右から)菅原理事長と森田町長=29日、天城町浅間

公益財団法人B&G財団(東京都、前田康吉会長)の支援で天城町が進めていた防災機材の配備が完了し、29日、同町B&G海洋センター敷地内にある防災倉庫で協定書調印式と配備機材のお披露目式が開かれた。町職員と財団関係者約40人が出席。同財団の支援に感謝するとともに配備した重機の試運転も行って災害への備えを確認した。

 

機材配備は同財団が全国で進める「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築事業」の一環。2021年度に25カ所、22年度に29カ所で実施している。奄美群島では天城町のほかに奄美市と与論町が事業対象になっている。同財団は21年10月に町へ総額4400万円を寄付し、22年8月に防災倉庫(2200万円)が完成したが、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で一部機材の配備が遅れていた。

 

町は財団の寄付に町財源から900万円を追加してショベルカー2台、2トンダンプ1台、水上バイク1台、災害用ドローン1機、移動式冷暖房機3台を配備した。寄付のうち900万円は配備機材のオペレーターなどの人材育成に充てられた。

 

調印式のあいさつで菅原悟志理事長(56)は「徳之島で災害が起きた場合、島外からの援助には時間がかかるため自分たちの島は自分たちで守るのが最優先となる。いざという時に活用できるように、災害時に限らず平時のイベントなどでも機材を活用してほしい」と職員らへ呼び掛けた。

 

森田弘光町長は「南海トラフ地震の発生が確実視される中、今回配備された機材は災害の最前線で必要とされるものばかり。さらに避難所開設と運営のための研修も実施することができた」と財団の支援に感謝を述べた。