陸自と米揚陸艇部隊が初連携 日米共同訓練で物資輸送 奄美大島

2023年09月22日

社会・経済 

米陸軍の小型揚陸艇から民間クレーンを用いて陸自高機動車を陸揚げする陸自隊員ら=21日午前9時ごろ、奄美市の名瀬港観光船バース

日米同盟の抑止力、対処力強化を目的とした米軍と陸上自衛隊の共同訓練「オリエント・シールド(東洋の盾)23」は21日、陸自と米陸軍小型揚陸艇部隊による初の連携訓練を奄美市の名瀬港などで行った。米小型揚陸艇が沖縄からの補給品を名瀬港に運搬。中継地点の名瀬運動公園で荷分けした後、瀬戸内町節子の瀬戸内分屯地へ輸送する兵たん訓練を実施した。

 

午前8時ごろ、沖縄本島で車両4台とコンテナ2個を積み込んだ米陸軍小型揚陸艇「Calaboza(カラボザ)」が名瀬港の観光船バースに接岸した。指揮を執る第5旅団司令部山之内竜二幕僚長と米軍揚陸艇の船長らが打ち合わせを行った後、民間のラフタークレーンを使用し陸自の高機動車2台とコンテナを陸揚げ。コンテナはトレーラーに積載され、午前9時50分ごろに名瀬港を出発した。

 

弾薬(模倣品)をコンテナから取り出し輸送車両へ積み込む陸自隊員ら=21日午前10時半ごろ、奄美市の名瀬運動公園駐車場

同10時すぎ、搬送品は陸上輸送の中継地点で「応急支援地域」と位置付けられた名瀬運動公園駐車場へ運び込まれた。陸自側によると、搬送品は弾薬(模倣品)や食料など補給品。隊員はこれらをコンテナから取り出し、数量や状態を確認して輸送車両に積み込む一連の訓練を実践した。搬送品は「補給品集積所」の瀬戸内分屯地へ向かった。

 

訓練実施に伴い、同駐車場の大部分では一般の使用規制が敷かれたが、大きな混乱やトラブルはなかった。駐車場周辺は一般車両が行き交い、近くを歩く公園利用者や近隣住民もいたものの、訓練を見物する姿はほとんど見られなかった。

 

米軍揚陸艇は観光船バースから同市名瀬中央青果市場前の船揚場へ移動。午後1時半ごろに陸自のトレーラー2台を下ろした後、名瀬港を出港した。

 

奄美大島での訓練は23日まで行われる予定で、北部方面隊など北海道の陸自隊員約150人と米陸軍約30人が参加している。