2号岸壁、8日から供用開始 定期旅客船の乗船位置変更 名瀬港

2024年04月04日

社会・経済 

8日から供用開始される名瀬港本港地区の2号岸壁=3日、奄美市名瀬

国と県が連携して拡張整備を進めてきた奄美市名瀬の名瀬港本港地区2号岸壁は8日下り便から、定期旅客船の供用を開始する。旅客船の接岸場所は現在の1号岸壁から南へ約200メートル離れた位置に変更される。港を管轄する県は利用者などに対し、接岸位置の変更を周知するとともに、港湾整備への理解を求めている。

 

定期旅客船が寄港する名瀬港本港地区は1号岸壁が1974年、2号岸壁が75年に供用開始した。国と県は1号岸壁、2号岸壁を含めた本港地区のふ頭再編整備を進めており、2号岸壁の拡張整備は老朽化対策と荷役作業を行うふ頭用地不足の解消、フェリー乗降客の安全性確保などが目的。

 

国は2012年度、2号岸壁(延長220メートル)を海側へ約20メートル拡張する改良工事に着手した。21年9月の2号岸壁拡張工事終了後、県は荷役作業との動線を分離して乗船客の安全を確保するため、可動式のボーディングブリッジ(27・5~36・5メートル)、連絡橋(24・5メートル)、スカイデッキ(93・13メートル)を整備した。

 

2号岸壁を利用する定期旅客船の対象航路は、鹿児島-沖縄航路と喜界航路。待合所やチケット売り場などは変わらないが、乗船時は現ターミナルからスカイデッキ、連絡橋を通って2号岸壁へ移動する必要があり、県や船舶会社は張り紙やホームページなどで、接岸場所の変更を周知している。

 

県はふ頭再編整備の一環で、旅客ターミナルの新築移転も計画する。新ターミナルは鉄筋コンクリート3階建てで、建設予定地は現ターミナルと2号貨物上屋の間。2月に安全祈願祭が行われ、完成時期は25年7月となる見通し。

 

現ターミナルは新ターミナル完成後に解体し、計画では現地で貨物上屋の建て替えを行う。合わせて国による1号岸壁の改良工事なども進められ、本港地区の機能強化を図る方針だ。

 

県大島支庁建設課の増田貴文課長は「ふ頭再編整備の途中で2号岸壁を供用するが、引き続きいろんな工事を行う。安全面に配慮して整備を進めていくので、ご理解いただきたい」としている。