2年ぶりクルーズ船寄港へ 名瀬港

2022年04月07日

社会・経済 

12日に名瀬港へ寄港予定の「にっぽん丸」=2016年3月29日、奄美市名瀬

県は6日までに、クルーズ船「にっぽん丸」(商船三井客船・総トン数2万2472㌧)が12日、「ぱしふぃっくびいなす」(日本クルーズ客船・同2万6594㌧)が15日にそれぞれ奄美市の名瀬港へ寄港すると発表した。新型コロナウイルスの影響を受け、名瀬港へのクルーズ船の寄港は2020年2月以降途絶えており、今回は約2年ぶりの寄港。一方、島内では一定の感染者確認が続いていることなどから、地元での歓迎セレモニーは見送られる見通しだ。

 

両船はいずれも神戸発着で世界自然遺産登録地の奄美大島、屋久島などを巡る旅。乗船客数(4日時点)は「にっぽん丸」が160人、「ぱしふぃっくびいなす」が149人。

 

乗船客は全員日本居住者で、乗船前と当日にPCR検査を受ける。船内での検温や食事中の人数制限など乗船中の感染対策も徹底し、仮に感染者が船内で出た場合はクルーズを中止するという。

 

奄美市紬観光課のまとめによると、名瀬港へのクルーズ船受け入れ実績は17年度が13隻・4683人、18年度が18隻・2万1700人、19年度が21隻・1万7488人。世界自然遺産候補地として注目されていたこともあり、19年度までの奄美大島のクルーズ船観光は上り調子だった。

 

同港でクルーズ船の歓・送迎セレモニーを行っていたあまみ観光物産連盟の境田清一郎事務局長は「現在の島の感染状況を考慮し、今回はセレモニー開催を見送りたい。今後のクルーズ船の受け入れ態勢については、港湾管理者である県や奄美市などと、しっかり協議しながら進めていく」と話し、慎重な姿勢も見せた。

 

県港湾空港課によると、感染症防止の観点から12日は午前8時~午後5時、15日は午前7時半~午後5時半、岸壁の一部エリアは一般人の立ち入りが制限される。