24年3月に開業予定 天然温泉施設で地鎮祭 大和村大棚

2023年03月08日

社会・経済 

東シナ海に臨む温浴施設の建設予定地=7日、大和村

大和村大棚で整備計画が進む天然温泉を目玉とした観光施設「奄美温泉大和ハナハナビーチ温浴施設」の新築工事地鎮祭が7日、同村の建設予定地であった。施主の総合美術会社・グレイ美術(本社、東京)代表取締役社長、浜崎哲義さん(64)=同村大和浜出身=や伊集院幼大和村長ら関係者約50人が出席。神事を行い、工事期間中の安全を祈願した。2024年3月の開業を目標としている。

 

同社は19年、所有敷地内で行った地質調査で温泉が出る可能性を確認し、大和村と立地協定を締結。21年3月に温泉掘削工事を開始し9月に地下約1600㍍地点で温泉を掘り当てた。分析結果によると泉温は40・2度で泉質は弱アルカリ性。

 

温浴施設の外観イメージ図(奄美東条設計・浜崎設計共同企業体提供)

敷地面積は約12万2314平方㍍。インフィニティ露天風呂(温泉の縁が見えず、一体化したような景色を楽しめる風呂)を備えた温浴棟や、開放感のある屋上バー付きのレストラン棟を中心に▽ウオータースライダー付き屋外プール▽源泉かけ流しの貸し切り露天風呂▽キッチン、冷暖房完備のキャンピングトレーラーに宿泊できるグランピング施設▽ファミリーキャンプ▽テントサウナ―などを設け、多彩なサービスを提供する。

 

設計管理は奄美東条設計・浜崎設計共同企業体(奄美市名瀬)。施工は松元組(同)で温泉掘削を含む総事業費は約10億円。

 

浜崎社長は「全体の遅れもあったが、やっとここまでくることができ安心した」と笑顔を見せ、「奄美大島の観光地として新しい風となることを確信している。地方創生、地域活性が最大の目的。島の多様な企業と連携し共に成長、発展しながら事業を成功に導きたい」と意気込みを語った。

 

伊集院村長は「協定を結んだ自治体としてしっかりサポートしたい」と強調。「同施設は奄美大島の起爆剤として観光振興につながる」と期待を示し「アマミノクロウサギ研究飼育施設(仮称)と共に村内を隅から隅まで観光できるルート作りが大切だ」と話した。

大和村防災センターで企業版ふるさと納税に対する感謝状贈呈式もあり、伊集院村長から浜崎社長へ感謝状が贈られた。