3カ月半ぶり運航再開 火災発生のフェリーとしま2 13日に名瀬港入港

2024年04月14日

社会・経済 

名瀬港佐大熊岸壁に入港する十島村営「フェリーとしま2」=13日、奄美市名瀬

昨年末に発生した火災により運休が続いていた十島村営船「フェリーとしま2」(1953トン)が12日夜、鹿児島発の名瀬便で運航を再開した。13日午後、奄美市の名瀬港佐大熊岸壁に約3カ月半ぶりに着岸。乗客9人が降り立ち、待

タラップから降りる乗客=13日、奄美市名瀬

機していたタクシーに乗り込む姿やスーツケースを手に歩く姿などがあった。フォークリフトが建築資材などの積み荷を降ろす様子も見られた。

 

同船は鹿児島本土とトカラ列島の有人7島、奄美大島を結ぶ唯一の定期船。昨年12月29日、名瀬港を出港後、同村宝島などを経て悪石島沖を航行中に機関室から火災が発生(けが人なし)。その後、鹿児島港で修理を行っていた。11日に海上で試運転を行い異常がなかったことから、12日夜に乗客98人を乗せ運航を再開した。

 

13日は、佐大熊岸壁に下船客を待つタクシーやトカラ列島へ向かう食料品が入ったコンテナ、工事用の資器材などが並んだ。タクシーの運転手は「物資が入ってくるので安心する人も多いと思う。お客さんも入ってくるので楽しみ」と話した。

 

普段中之島で土木工事の現場監督を務める鹿児島市の日高公正さん(51)は「運休中は資材の運搬ができず、工事の遅れにつながった。島民は衣食住をフェリーに頼っており、運航が再開してうれしい。工事も計画通りに進めていければ」と期待した。

 

同船は14日午前2時に名瀬港を出港し、トカラ列島と鹿児島本土へ向かう。

運休中は、代替便や臨時貨物船などで旅客や貨物の輸送に対応していた。