8万8616トン見込む 南栄糖業が製糖開始

2023年12月02日

社会・経済 

安全操業を祈願し、工場圧搾機へ向かうコンベヤーにキビを投入する関係者=1日、沖永良部島

【沖永良部総局】沖永良部島の南栄糖業(武𠮷治社長)は1日、23│24年期の製糖を始めた。今期のサトウキビ生産量は11月1日現在、8万8616トンと前期実績比1万751トンの増収を見込む。この日は同社工場で搬入出発式と安全祈願の神事があり、生産者や製糖関係者らが安全操業へ決意を新たにした。

 

沖永良部さとうきび生産対策本部によると、町別の生産見込み量は和泊3万5542トン、知名5万3074トン。キビ収穫面積は前期を11・45ヘクタール上回る1728・08ヘクタール(和泊734・07ヘクタール、知名994・01ヘクタール)。10アール当たりの収量(単収)は5・128トン。ほ場ブリックスは平均17・65度で平年をやや上回っている。

 

南栄糖業では設備更新や電力増強に取り組み、今期は1日当たり圧搾量を過去最高の900トン(前期860トン)に設定した。

 

同対策本部の福茂治本部長は搬入出発式のあいさつで「前期の製糖が3月末で終了したことで、春植え、株出しの管理が適期に行われ、キビは順調に生育している。糖度の上昇にも期待したい。今期は1日の圧搾量を増やしたことで早めに製糖を終了する見込みができた。南栄糖業の経営努力に感謝したい」と述べた。

 

武社長は「生産者の皆さまに感謝の心を込めて圧搾していきたい。安全に留意しながら、3月末には皆で今年のキビは良かったと言えるよう、さらに沖永良部の五穀豊穣(ほうじょう)を祈念したい」とあいさつした。

 

原料の搬入は年内26日まで。年明けは1月5日に圧搾を再開し、搬入終了は3月29日の予定。