人材確保などに課題 部活動の地域移行に向け協議 奄美市

2022年11月26日

社会・経済 

部活動の地域移行について今後の見通しの確認や意見交換を行った奄美市の検討委員会=25日、奄美市名瀬

奄美市中学校部活動の地域移行に関する検討委員会の第1回会合が25日、同市名瀬の奄美市役所であった。市教育委員会や学校関係者、スポーツ推進委員など19人が出席。部活動改革の趣旨や今後の見通しを確認し、地域の指導者の人材確保や運営方法など移行の在り方について意見を交わした。

 

同検討委は、国が取りまとめた部活動の地域移行に関する提言に基づいて立ち上げたもの。少子化による人口減少や教職員の業務負担などを背景に、部活動の活動主体を学校から地域社会に移すことで、児童生徒が持続的にスポーツや文化芸術に親しむことができる環境づくりを目指す。

 

改革期間は2023~25年度の3年間。国は地域の実情に応じた早期の実現を促しており、26年度からの本格実施を見据え、まずは休日の部活動の地域移行から段階的に進めたい考えだ。

 

委員会では、市教委の石神康郎教育部長が「市としては25年度末をめどに移行を目指す。皆さんのさまざまな意見をたまわりたい」とあいさつ。出席者らは部活動の地域移行について国が示した提言の内容や地域と連携した部活動のモデルを確認した。

 

意見交換では、移行に伴う環境の変化や予算に関する質問があったほか、交通面や人材確保の難しさなどへき地・離島ならではの課題が上がった。学校と地域をつなぐコーディネーターの役割の必要性や、「勝利至上主義になり、生徒の選択肢や活動の場がむしろ減ってしまわないか」など懸念の声も寄せられた。

 

奄美市は来年5月には正式な委員会を立ち上げ、地域移行の具体的な日程や実践方法、モデル校の選定などを協議する計画だ。