ICT推進、地域活性化へ 業務改善、採用支援など報告 奄美市でフェア

2023年03月18日

社会・経済 

ICT活用推進に取り組んだ企業の事例報告などがあった奄美市ICTフェア=17日、奄美市名瀬

ICT(情報通信技術)を活用した産業振興、地域活性化を目的とした奄美市主催のICTフェアが17日、同市名瀬の市産業支援センター・ワークスタイルラボであった。市内に事業所を置く企業や事業所がICT活用推進事例を報告したほか、地域のDX(デジタル技術)活用支援や成長企業支援を手掛ける投資ファンド代表が講演。中長期的な業務改善、事業拡大につながる情報を共有した。

 

奄美市ICT活性化推進事業の一環で、離島地域が抱える地理的不利性の克服と各種産業の成長に向けたICTの導入、定着促進が目的。事例報告、講演会のほかICTを活用した製品、サービスの展示ブースもあった。

 

ICT活用推進に関する市の事業を受託した4社が事例報告。鹿児島事務機商会と南海日日新聞社はDXによる事業者の業務改善などを周知する「技術習得」、アビコムデザインと南西テレワークセンターは「(自社の)事業拡大支援」の事業に取り組んだ経緯と成果を報告した。

 

技術習得事業を担った2社は、業務効率化につながるICT知識や技術の習得、活用を周知する事業者向けの研修、講座などをそれぞれ実施。事例報告で各社は「ICTを活用した業務改善の需要は高い」「受講者の知識水準に合った実践的な内容の講座を継続できれば」と振り返った。

 

事業拡大支援事業として、インターネット上で企業広報、採用支援サービスの構築に取り組んだアビコムデザインは「人材不足に悩む事業者は多い。採用支援サービスの取り組みは今後も優先的に取り組みたい」とし、AI(人工知能)の学習を支える技術「アノテーション」の導入を図った南西テレワークセンターは品質を担保する仕組みづくりなどを課題に上げた。

 

講演ではスタートアップ支援ファンド「チェンジ鹿児島」の中垣雄代表取締役が、ICT関連の企業経験を紹介し、企業が成長する要因などについて解説。

 

ICT分野の状況分析、相談支援などを担う奄美市インキュベーション・マネージャーの久保田智氏は講評で、「(同フェアが)地域を豊かにする投資だと感じた。今後の事業継続に期待する」と総括した。