奄美全域で1465人避難 台風24号

2018年09月30日

自然・気象

公民館に避難し、一刻も早い台風の通過を祈る住民=29日午後3時50分ごろ、大和村湯湾釜

公民館に避難し、一刻も早い台風の通過を祈る住民=29日午後3時50分ごろ、大和村湯湾釜

 台風24号の接近、縦断に伴い、奄美群島は29日、全域で大荒れの天候となった。各市町村によると、午後9時現在、建物の損壊があったが、けが人などは報告されていない。全12市町村が避難勧告を発令し、群島全体で869世帯1465人が地域の公民館や防災センターなどに避難した。各地で停電も発生。宇検村、伊仙町と沖永良部島2町では全域が停電し、住民生活に大きく影響した。

 

 暴風で、与論町では民家2棟の屋根が飛ばされたほか、天城町で役場庁舎の窓ガラスが損壊。徳之島3町で民家の窓ガラスが割れたり、倉庫や家屋の屋根が壊れる被害が数件、発生しているもよう。知名町では窓ガラスが割れるなどの被害が4件発生した。

 

 各市町村が午後9時現在で把握している避難状況は▽奄美市130世帯206人▽大和村64世帯98人▽宇検村114世帯195人▽瀬戸内町71世帯100人▽龍郷町71世帯89人▽喜界町25世帯32人▽徳之島町52世帯111人▽天城町26世帯54人▽伊仙町21世帯27人▽和泊町40世帯59人▽知名町68世帯127人▽与論町187世帯367人。

 

 避難者の中には体の不自由な高齢者の姿も。大和村湯湾釜に3女と同居する登ヨシ子さん(88)は、足が不自由で避難に時間がかかることから、避難勧告発令に合わせて午後1時すぎに地区の集会所に避難した。「家が川の近くにあり、大雨での増水が不安。大雨や台風などの度に避難している」と語り「少しでも早く台風が去ってくれれば」と祈った。

 

 九州電力鹿児島支社によると、29日午後9時現在、10市町村約5万5000世帯で停電。

 

 市町村別の状況は奄美市が約8300世帯(停電率25・1%)、大和村約400世帯(同28・0%)、宇検村約1700世帯(同100%)、瀬戸内町約5500世帯(同65・5%)、徳之島町約9900世帯(同98・6%)、天城町約2900世帯(同56・5%)、伊仙町約5400世帯(同98・6%)、和泊町約6400世帯(同100%)、知名町約5400世帯(同100%)、与論町約3800世帯(同83・1%)となった。

 

 同社は住民に、切れた電線や倒れた電柱などには近付かないよう呼び掛けている。把握している地域以外でも、家屋への引き込み線の断線で停電する場合もあるとして、気付いた際には最寄りの営業所に連絡するよう求めている。