奄美大島中南部で被害広がる 古仁屋で総雨量565ミリ 土砂崩れや浸水で生活に打撃

2023年06月22日

自然・気象

土砂崩れで寸断された県道=21日午後1時半ごろ、宇検村須古

奄美地方北部は活発な梅雨前線の影響を受け、21日も発達した雨雲がかかり続けた。瀬戸内町古仁屋で16日の降り始めから21日午後10時までの降水量が565ミリに達し、6月の平年1カ月分を上回った。奄美大島では奄美市住用町、大和村、宇検村、瀬戸内町の4市町村で家屋の浸水被害が計60棟(床上12、床下48)に上り、午後5時現在、停電約400戸、断水約4000戸を確認。島内では最大102人が避難し、27人が避難を続けている。同日午後6時現在、宇検村須古など7カ所で全面通行止めとなっている。人的被害は報告されていない。

 

奄美地方では19日、20日と連続して局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生。21日も各地で雨が降り続けた。名瀬測候所によると、瀬戸内町古仁屋では同日、12時間、24時間、48時間、72時間降水量も6月の観測史上1位を更新した。

 

奄美地方では22日明け方にかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降る見込みで、22日に予想される1時間降水量はいずれも多いところで、北部30ミリ、南部50ミリ。午後6時までに予想される24時間降水量は北部80ミリ、南部120ミリ。これまでの雨で地盤が緩んでいるところがあり、引き続き土砂災害に厳重な警戒が必要だ。

 

また、奄美地方では22日夜遅くにかけて落雷や竜巻などの激しい突風が発生する恐れがある。名瀬測候所は発達した積乱雲が近づく兆しがある場合には建物内に移動するなど、安全確保に努めるよう呼び掛けている。