復旧作業急ピッチ 西古見方面の陸路寸断続く 久慈で住民総出の土砂撤去 瀬戸内町

2023年06月25日

自然・気象

大規模な崩土で通行止めが続く県道曽津高崎線久慈―花天間の復旧作業=24日、瀬戸内町

梅雨前線に伴う記録的な大雨で崖崩れなどの被害が相次いだ奄美大島では、24日も各地で復旧作業が急ピッチで進んだ。瀬戸内町油井で続いていた断水は同日午前1時ごろに解消。午後5時現在、同町の県道曽津高崎線の久慈から西古見方面で大規模な崩土による全面通行止めが続いている。孤立していた3集落のうち、花天は久慈から県道名瀬瀬戸内線を経由して迂回(うかい)する林道が同日までに復旧。管鈍、西古見では陸路の寸断が続く。

 

大雨の影響で山から大量の土砂が流れ込んだ久慈集落(武田政文区長、61世帯92人)では24日、住民総出でたまった泥の除去作業が行われた。集落外からボランティアも駆け付け、重機が入れない狭い路地や側溝は手作業で泥をかき出す作業に追われていた。

 

久慈集落で土砂の撤去作業に汗を流す住民ら=24日、瀬戸内町

自宅が浸水被害に遭った一人暮らしの女性(83)は「ずっと雨が降り続いて怖かった。庭は水がたまって田んぼみたいだった」と20日夜の豪雨を振り返った。翌朝も雨が続いたため、集落内の高齢者福祉施設に身を寄せた。

 

土砂が流れ込んだ勝手口周辺の清掃は施設のスタッフに相談するという。「腰が悪くて何もできない。スタッフはみんな友達。よくしてもらってありがたい」と話した。

 

武田区長(79)は「集落の隅々まで赤土が入ってきた。除去作業は3日目だが、重機を使ってもスムーズにいかない」と困惑する。「たくさんの人が応援に来てくれて助かった。心身ともに疲れているけれど、泥が除去できれば普通の生活に戻れる」と前を向いた。