マンゴー農家に大打撃 収穫ピークも台風で出荷停滞 天城町

2023年08月01日

自然・気象

台風5号と6号の影響でフェリーの欠航が相次ぎ、出荷が滞っている徳之島のマンゴー生産者らが頭を悩ませている。島内最大の生産地、天城町の生産者で組織する町熱帯果樹生産組合の作山和久組合長(60)は「影響が長引くほどロスが増え、収入が約4割減る恐れもある。生産者には大打撃だ」と危機感を示した。

 

出荷できずに冷蔵保存されているマンゴーと、生産組合の作山和久組合長=31日、天城町天城

同組合には29人が所属。マンゴーの収穫はちょうどピークを迎えており、同組合の事務所には毎日約300キロのマンゴーが運び込まれる。船が出ない現在は同組合の冷蔵コンテナで保管しているが、作山組合長は「冷凍コンテナは2基あり、合計で約2トンは受け入れられるが、このままではあと3~4日で満杯になる」と危惧する。

 

31日にマンゴー約70キロを同組合に運び入れた木村憲一郎さん(62)=同町瀬滝=は「商品価値がなくなったマンゴーは近所に分けたりもしているがそれにも限界がある。仕方なく廃棄処分する場合もある」と話し、「一昨年も船が止まり約40万円の損害が出た。今回はもっと長引くかも。1日も早く船便が再開するのを祈るしかない」と肩を落とした。

 

同組合は今期は約27トンの出荷を見込んでいる。作山組合長は「マンゴーは出荷が1日延びるだけで1割のロスが出る。いつ頃船便が再開できるか、先の見えないのが非常につらい」と苦悩をにじませ、「空輸での出荷ができれば台風の影響を相当軽減できるはず。国策として検討してほしい」と要望した。