新種「マホロバハタ」発見 かごしま水族館

 新種の「マホロバハタ」(鹿児島大学総合研究博物館提供)

新種の「マホロバハタ」(鹿児島大学総合研究博物館提供)

  かごしま水族館(鹿児島市)と鹿児島大学総合研究博物館は、種子島や奄美大島など西太平洋の島嶼域で、ハタ科の魚類の新種が見つかったと発表した。「理想郷のような島々に分布する」ことから、「楽園」を意味する古語にちなみ「マホロバハタ」と和名を付けた。

 

 かごしま水族館の中村潤平氏と鹿児島大学総合研究博物館の本村浩之教授が、日本魚類学会が発行する英文誌「イクチオロジカル・リサーチ」オンライン版で14日に公開した。

 

 マホロバハタは体長約27・1~52・8㌢。国内では種子島、トカラ列島、奄美大島、小笠原諸島などに分布。インドネシアやミクロネシアでも確認された。水深100~150㍍の岩場に生息しているとみられる。学名はラテン語で「島」を意味する「insularis」と付けた。

 

 中村氏らは2018年ごろからハタ科の魚類の多様性に関する調査を実施。県内の市場や研究機関などから標本を集め、計12個体を調べた。これまでは相模湾以南に分布するホウセキハタとみられていたが、背びれのとげの数が少なく、全身に網目模様のように見える褐色の斑点があることなど、形態の特徴が異なることや、DNA解析の結果から、新種と分かった。

 

 新種の標本を提供した前川水産(奄美市名瀬)によると、ハタの仲間は地元の方言で「ネバリ」と呼ばれる高級魚。前川隆則代表(62)は「ハタの中でも形や模様が違い、変わった魚だとは思っていた。記憶の中ではまれにしか揚がったことがない」と話した。

 

 中村氏は「好きなハタの仲間で新種を見つけられたことは光栄」と喜び、「鹿児島の魚の多様性には驚かされることが多い。特に奄美やトカラにはまだ新種がいる可能性が高い。今後も調査を続けたい」と述べた。