大勝さんが「語りつごう戦争展」で講話

2014年12月18日

地域

復帰運動、自衛隊配備問題で講話した大勝さん=7日、神戸市

復帰運動、自衛隊配備問題で講話した大勝さん=7日、神戸市

 兵庫の「語りつごう戦争展」が6~10日、神戸市の妙法華院であった。戦争や平和に関する展示や連続講座があり、大島高校在学中に奄美の日本復帰運動に携わった大勝方興さん(81)=徳之島町出身=が講話。復帰体験と合わせて、奄美大島に持ち上がっている陸上自衛隊警備部隊の配備計画を取り上げ、「奄美は自衛隊を誘致しなくても観光や特産品の開発、販売を促進していけば発展する」と指摘。自衛隊配備に反対した。

 大勝さんの講話は7日に行われた。奄美が置かれた歴史的位置を薩摩藩の黒糖収奪から説き起こし、戦後の米軍政下での生活、復帰運動の体験を報告。「今こそ復帰運動で培った精神を生かすべき」と強調した。
 さらに、復帰後に奄美で起きた枝手久島(宇検村)への石油備蓄基地建設反対闘争、核燃料再処理工場反対運動(徳之島)、米軍普天間飛行場の徳之島移設反対運動にも言及。「今回の自衛隊配備も奄美が『狙われる離島』として、自衛隊を押し付けられている」と問題視した。
 大勝さんは「奄美は自衛隊を誘致しなくても発展していける」と強調。自衛隊誘致よりも、①食料自給率を高める②奄美ならではの観光振興③特産品開発、販売促進④人材育成(教育)―に力をいれるべき、と提唱した。
 大勝さんは有志とともに10月以降、奄美への自衛隊配備反対を訴え、署名活動に取り組んでいる。