徳之島で優先接種始まる コロナワクチン 医療従事者らへ 対象628人

2021年03月09日

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奄美群島で徳之島を皮切りに始まった医療従事者への新型コロナワクチン先行接種=8日、徳之島町亀津

奄美群島で徳之島を皮切りに始まった医療従事者への新型コロナワクチン先行接種=8日、徳之島町亀津

  【徳之島総局】医療従事者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの優先接種が8日、奄美群島では徳之島を皮切りに始まった。同日、徳之島町の公益財団法人慈愛会徳之島病院の職員20人が接種を受けた。島内では今後、同病院を含む4施設で順次医療従事者への接種を進めていく計画だ。

 

 県内では今月5日から各自治体へのワクチン供給、接種が始まっている。奄美群島には7日、奄美市名瀬の奄美ワクチンセンター(奄美文化センター内)と徳之島町の徳之島徳洲会病院に、いずれも1箱975回分のワクチンが届いた。

 

 ワクチン接種が行われる施設は接種と保管を担う「基本型接種施設」と、基本型施設からワクチンを移送して接種する「連携型接種施設」がある。徳之島病院は島内に3カ所ある連携型施設の一つで、8日午前に徳之島徳洲会病院からワクチンを移送した。

 

 同日は医師2人、看護師10人、事務職員など8人への接種を実施。接種後は15~30分程度、体調に変化がないか経過を観察した。

 

 自身もワクチンを接種した徳之島病院の末満純一院長(70)は「ワクチンを接種しても重症化しにくいというだけで感染しないわけでない。日々の感染予防対策の継続が重要だ」と力を込めた。

 

 同病院の職員145人のうち、接種希望者は約100人。同病院では近隣の医療関係施設の職員49人を含む約150人について、来週までに接種を行う。

 

 島内ではこのほか、徳之島徳洲会病院が9日から接種を開始。残る連携型施設の宮上病院と徳之島診療所は、職員への接種意向調査や先行接種した施設での副反応の発生事例などを勘案して日程調整するという。

 

 徳之島で優先接種対象の医療従事者は628人。7日に届いたワクチンを対象者全員へ接種しても、約350人分余る計算になる。県健康増進課は「基本型施設がある沖永良部島と与論島にはワクチン供給がなく、徳之島で残った分を両島に移送して接種できないか方策を検討している」と説明した。

 

 奄美大島に届いたワクチンは喜界島と2島で分配するが、両島の医療従事者が3500人以上と多く全員に接種ができないことから、奄美ワクチンセンターは接種開始時期を検討中としている。