「身近にある遺跡知って」 重要戦跡の調査報告書刊行 一般向けに販売も 瀬戸内町

2022年06月03日

政治・行政

 瀬戸内町教育委員会はこのほど、町文化財調査報告書「瀬戸内町内の遺跡3」を刊行した。同町に残る奄美大島要塞(ようさい)と大島防備隊基地の戦跡について、発掘・測量の結果のほか、関連文献、写真資料なども合わせて分かりやすくまとめた。専門家による近現代の軍事関係史の解説もあり、担当者は「町内の戦跡から東アジアの戦争の歴史を知ることができる。身近にある重要な遺跡について知ってほしい」と話している=写真。

 

国庫補助事業を活用した同教委の埋蔵文化財調査の一環。2017年には貝塚時代~近世と、戦跡を中心とした近代についてそれぞれまとめた「瀬戸内町内の遺跡1・2」を刊行している。今回はその中からより重要と思われる6カ所の戦跡について、全264ページに渡って詳しく記載した。

 

瀬戸内町には陸・海両軍が配備された歴史がある。町教育委員会埋蔵文化財担当の鼎丈太郎さんは「いつ、どこに、どんな軍事施設が造られたのかを体系立てて見ていくことで、戦争に突入した当時の世界の動きが見えてくる。現代の世界情勢や平和について考えるきっかけにもしてほしい」と話した。

 

報告書は群島内の高校、図書館に配布するほか、瀬戸内町役場社会教育課と、町埋蔵文化財センター(旧船津保育所)で販売する。価格は「瀬戸内町内の遺跡3」が3千円。「同2」が2千円。2と3セットで購入する場合は4千円(いずれも税込み)。

問い合わせは電話0997(76)3004同センター。