「人骨に多くの情報」 鹿女子短大の竹中教授が講演 伊仙町

2022年08月03日

地域

人骨の役割などについて説明する竹中教授=7月30日、伊仙町中央公民館

徳之島のさまざまな文化や風習について学ぶ伊仙町歴史民俗資料館主催の講座「徳之島のいろは・人骨のはなし」が7月30日、同町中央公民館であった。鹿児島女子短期大学の竹中正巳教授(57)を講師に迎え、参加者は町内で発掘された人骨がさまざまな情報をもたらしてくれることなどを学んだ。

 

「地域の特色ある埋蔵文化財活用事業」の一環で実施している。竹中教授は枕崎市出身で鹿児島大歯学部を卒業して研究の道へ進んだ。

 

竹中教授は骨の役割について「身体を支えたり保護したりするだけでなく、血液をつくったりカルシウムを蓄えたりとさまざまな機能がある」とし、「骨盤を調べれば男女の区別や出産を経験しているかも分かる」と骨がたくさんの情報を含んでいることを説明。

 

「中世(グスク時代)を境に渡来系弥生人の特徴を示す人骨が増えている。この時代に他地域との交流が増えたと推察できる」と歴史研究にも有用な情報をもたらしてくれることを伝え、「今年度は天城町で発掘調査を予定している。今まで見つからなかった新発見があるかもしれない」と期待した。

 

受講した白倉香ノ丞君(喜念小2年)は「恐竜が好きで、化石などの骨にも興味がある。初めて本物の人骨を触ったけど、男の人の頭蓋骨は大きくて重くてびっくりした」と感想を述べ、「夏休みの自由研究の参考にしたい。生き物が大好きなので将来は研究者になりたい」と目を輝かせた。