喜界島で降下訓練始まる 第一空挺団、3年連続で 陸上自衛隊

2025年04月15日

社会・経済 

百之台展望台で第一空挺団の訓練を見守る住民ら=14日、喜界町

陸上自衛隊第一空挺(くうてい)団(千葉、習志野駐屯地)によるパラシュート降下訓練が14日、喜界町嘉鈍の牧草地(町有地)で始まった。偵察部隊などが行う高い高度からの「自由降下(フリーフォール)」と呼ばれる訓練で、同日は計16人が降下。15日以降も降下訓練を実施する。同島での降下訓練は2023年から毎年実施しており、今回で3回目となる。

 

14日午後1時すぎ、埼玉県の航空自衛隊入間基地を出発したC130輸送機1機が島上空に飛来。旋回を繰り返し、高度約2000メートルから隊員3~4人ずつが降下、パラシュートを操作し牧草地へ着地した。

 

百之台展望台周辺では地元住民や13日に行われた喜界島マラソンの参加者ら約40人が集まり、訓練の様子を見守った。

 

パラシュートで降下し、地面に着地しようとする隊員=14日、喜界町

島内で農業を営む40代男性=志戸桶=は「どんな訓練なのか、自分の目で見てみたいと思っていた。世界中で戦争があり現実になったらと思うと怖いが(島での訓練は)仕方ないと思う。さまざまな場所で行わなければ、訓練にはならない。実際に見て、すごいと感じた」と話した。

 

この日の午前には、同団の髙倉敬副団長らが隈崎悦男喜界町長を表敬訪問。髙倉副団長は「機会をいただき感謝している。サトウキビ畑への空挺降下訓練も検討したが、収穫期など踏まえピンポイントで降下できる自由降下となった。島しょ部での訓練機会は少なく引き続き協力をお願いしたい」と話し、隈崎町長も「安全面を考えていただき島民も理解しているので、協力できれば」と答えた。

 

喜界島での降下訓練は19日まで、午前11時から午後6時45分までの間に実施する。訓練地周辺の公道では一時、警察や自衛隊による交通規制や誘導がある。15日以降は陸上自衛隊輸送ヘリからの降下訓練や島内の行進訓練が予定されている。