産地一丸で大島紬PR 京都で初の合同展示会 3日間で400人来場

2022年02月10日

芸能・文化

奄美、鹿児島両産地の反物が並んだ大島紬の合同展示会=1月21日、京都市(本場奄美大島紬協同組合提供)

本場奄美大島紬協同組合など大島紬の生産業者らでつくる県内3団体は1月20~22日、京都市で初の合同展示会「紬コレクションin京都」を開いた。会場には各織元の自信作3500反ほどが並び、関西の問屋や小売業者、愛好家ら3日間で約400人が来場。奄美・沖縄の世界自然遺産登録も追い風に、産地一丸で世界に誇る大島紬の魅力をPRした。

 

産地の垣根を越えて共存共栄を目指そうと、奄美市の本場奄美大島紬協同組合と、鹿児島市の本場大島紬織物協同組合、藤絹商工協同組合でつくる県本場大島紬協同組合連合会が主催。新型コロナウイルスの影響で昨年は直前で延期となり、1年越しの開催。奄美、鹿児島の両産地から織元約20社が出展した。

 

会場の京都経済センターでは、一般消費者向けの展示即売や業者向けの商談会のほか、来場者や業者による新作コンテストも行われた。泥染めや白大島などの反物がずらりと並ぶ中、来場者は織元と交流しながらお気に入りの1反を探した。機織りなど製造工程の実演や、唄者の平田まりなさんの島唄ライブも人気を集めた。

 

本場奄美大島紬協同組合の牧雅彦理事長は「奄美と鹿児島両産地の反物が一堂に集まる機会は貴重。問屋、織元の双方から『恒例化してほしい』という要望が多く寄せられた」と手応えを語る。

 

来年は京都に加えて、東京でも初の合同展示会を検討しており、「生産反数は両産地とも毎年減り、職人の高齢化や後継者不足が進んでいる。販売機会を増やし、1反でも多く消費者に届ける橋渡しをしたい」と述べた。