初の予告なし避難訓練 朝日中学校

2020年09月03日

子ども・教育

速やかに体育館へ避難する生徒=2日、奄美市名瀬

速やかに体育館へ避難する生徒=2日、奄美市名瀬

 9月1日は防災の日。奄美市名瀬の朝日中学校(夏迫満弘校長、生徒294人)は2日、生徒への予告なしで地震を想定した防災避難訓練を実施した。同校で予告なしの訓練を実施するのは初めて。生徒たちは教諭の指示もない中で主体的に判断、行動する力を身に付け、緊急時に備える心構えを新たにした。

 

 訓練は休み時間中に奄美市近海で震度5強の地震が発生し、校舎東側の階段が損壊、今後も余震が続く可能性があるとの想定であった。生徒たちは校内放送に従っておのおのの場所で身を守る行動をとり、揺れが収まると余震に備えて近くの避難経路図を確認。速やかに体育館(雨天のため)へ移動してクラスごとに人数を把握し、担任教諭に報告した。目標は10分以内だったが、生徒たちは5分以内で避難を完了させた。

 

 体育館では、物が落ちてこない場所などに避難することや、避難時のポイントとして▽押さない▽駆け出さない▽しゃべらない▽戻らない―の頭文字を取ったキーワード「お・か・し・も」などが紹介され、津波の際の避難場所についても指導があった。

 

 その後は教室に戻って各自の行動を振り返り、グループに分かれて改善点などの意見交換を行った。

 

 3年生の富紗妃菜さん(14)、関凛太朗さん(15)、安田侃晟さん(15)の班では「慌ててしまい身を守れなかった」「訓練だと思って机の下に隠れることができなかった」といった反省点が上がり、「いつ災害が起こるか分からないので、いつ起きても落ち着いて行動できるように日頃から避難経路の確認などの準備が必要」「訓練であっても自分の命を守る行動を取る」などと話し合っていた。