龍郷町子ども博物学開講式
2020年06月21日
子ども・教育
龍郷町子ども博物学士講座(町教育委員会主催)の開講式が20日、町生涯学習センターりゅうがく館であった。初回は草木染めを体験したほか、前年度の受講生11人が身近な自然や環境問題について調べた内容を発表。「美しい自然をこの先も残せる人になりたい」「島の生き物は島の人が守っていかなければ」などと語った。
児童の研究発表は例年閉講式に合わせて実施しているが、前年度の閉講式は新型コロナウイルスの影響で中止となっていた。この日は奄美で見られる固有・希少動物や外来動植物、海岸のごみ問題などをテーマに8組が発表した。
龍郷小の岩崎透君(2年)、岩崎想君(5年)は外来種マングースについて、関係者へのインタビューを交えて発表。1979年にハブ駆除の目的で持ち込まれた30頭が2000年には約1万頭となり、アマミノクロウサギやアマミヤマシギなど希少な固有種を捕食していることなどを紹介した。
2人は「もともとは人間が勝手に連れて来たのに駆除されるのはかわいそうだ」と述べ、「(人が連れてきた)生き物は最後までしっかり管理する責任がある」と語った。
戸口小2年の山口莉央さんは校区内の外来植物について調査。見つけた植物を図鑑やインターネットで一つ一つ調べ、外来種がどこに分布しているのかを地図にまとめた。
同講座は05年に始まり16年目。来年3月まで全6回を予定し、今年度も大島紬や天体観測など多彩なテーマで古里の自然や歴史、伝統文化について学ぶ。
開講式で碇山和宏教育長は「奄美の自然や文化に関心を持つ児童生徒が年々増えていることをうれしく思う。新型コロナウイルスに負けず今年も頑張りましょう」とあいさつした。
続く初回講座では県立奄美少年自然の家の職員を講師に、親子連れ約80人がハンカチのフクギ染めに挑戦した。