空から自然楽しんで 奄美市の会社がヘリ事業参入

2021年08月27日

地域

客を乗せて飛び立つ機体=24日、龍郷町

  奄美市名瀬のGrowth Base(崎原大輔代表取締役)は21日、ヘリコプターによる遊覧、チャーター飛行事業を開始した。現在、龍郷町芦徳のホテル「ネイティブシー奄美」を拠点に、瀬戸内町蘇刈のホテル「THE SCENE」や奄美空港、徳之島空港を離着陸場として事業を展開。今後は離着陸場をさらに増やし、新たなインフラの創造を目指す。

 

 コンセプトは「空でつながる、人、まち、未来」。事業の立ち上げについて崎原代表(43)は「世界遺産登録で観光客の増加が見込まれる中、山に踏み入って森を荒さずとも、来島者に奄美の自然を満喫してもらえる方策として、また加計呂麻や与路、請島など船を交通手段の主流とする離島において航路が途絶えた際の医療や物資などの輸送手段として、ヘリが広く活用されることに期待を込めた」と話す。さらに、将来的には地域航空会社の不採算路線での利便向上を担えるような役割が目標だとしている。

 

 龍郷町のネイティブシー奄美の離着陸場では、遊覧体験を実施中だ。赤尾木上空の東シナ海と太平洋を望む約5分のコースで、料金は5000円。24日現在、15組が搭乗したという。埼玉県から仕事で来島した30代男性は「料金が手頃。一生の思い出になった。乗り物酔いが心配だったが問題なかった」と感想。東京都から観光で訪れた20代女性は「海がとても青く、感動で泣きそうになった。乗ってよかった」と満足した様子だった。

 

 運航を受託する匠航空(本社・岡山県)の勝山信秀機長(29)は「奄美群島を巡るには移動に時間がかかるため、ヘリを利用することで観光客の方は時間短縮ができ、旅の充実につながる。島民の方には、大切な方へのプレゼントや記念日の思い出づくりとしての利用のほか、生活の延長線上のインフラとして活用してもらいたい」と話していた。

 

 遊覧体験は、午前10時から午後5時まで(天候により変更、休業の場合あり)。問い合わせは、電話0997・57・7599へ。

上空からの奄美の風景(Growth Base提供)