サンゴ「健康度高い」 大島海峡でリーフチェック 管鈍沖、被度70%以上 瀬戸内町海を守る会など

2022年05月02日

大島海峡で行われたリーフチェック=4月25日、瀬戸内町管鈍沖(瀬戸内町海を守る会提供)

地元ダイビング事業者らで組織する瀬戸内町海を守る会(祝隆之会長)と日本自然保護協会は4月25日、奄美大島南部の大島海峡内でサンゴ礁の健康度を調査するリーフチェックを行った。海底がサンゴで覆われている割合を示すサンゴ被度は、浅場の水深3㍍地点、深場の同8㍍地点ともに70%以上で、「健康度がとても高い」と評価した。

 

調査地点は瀬戸内町管鈍沖の礁斜面。同会会員と専門家ら8人が参加し、サンゴ被度と魚類、無脊椎動物の数などを調べた。管鈍沖の調査は2020年11月に続き2回目。

 

サンゴ被度は水深3㍍地点で76・3%、同8㍍地点で70%。前回とほぼ変わらなかったという。魚類などの調査では、チョウチョウウオやブダイ、シャコガイ、ウツボを確認した。

 

日本自然保護協会保護教育部の安部真理子主任は「白化現象によるダメージも見られたが、大島海峡はサンゴ被度が高く、地形も変化に富んでいて生物多様性が豊か。調査を継続して、元気なサンゴを保全していくことが大切」と述べた。

 

奄美大島南部の海域では01年から05年にかけてオニヒトデが大量発生し、食害によってサンゴは壊滅的なダメージを受けた。守る会は01年から毎年、同町加計呂麻島の安脚場沖でリーフチェックを続けているほか、近年は同島の実久沖や管鈍沖でも調査を行っている。

 

調査に参加した守る会会員の栗原亮太さん(39)は「普段仕事をしている海の状況を見られるいい機会なので、定期的に調査に参加したい。ダイビング客と一緒にごみを拾ったりして、きれいな海を守っていきたい」と話した。