ロードキル防止で啓発 徳之島町職員が空港で

2022年05月02日

社会・経済 

来島客へロードキル防止への協力を呼び掛ける徳之島町職員=1日、徳之島空港

「アマミノクロウサギを守るためにご協力を」。世界自然遺産登録後、初の大型連休を迎えた徳之島空港の到着ロビーでは、徳之島町職員が啓発用のチラシや記念品を来島者へ配り、希少野生動物のロードキル(交通事故死)防止への協力を求めるキャンペーンを実施した。担当職員は「徳之島の魅力だけでなく、自然遺産地域として抱える課題も知ってもらいたい」と力を込めた。

 

徳之島は奄美大島、沖縄島北部、西表島とともに昨年7月に世界自然遺産に登録された。一方で、島内ではロードキルや、イヌやネコによる捕殺、昆虫や希少植物の盗採などが継続して発生しており対策が求められている。

 

徳之島町はふるさと納税での寄付を活用してロードキル防止に取り組んでいる。2021年度はロードキル多発地点を重点に看板11基、約30カ所に反射材を設置。同空港の手荷物受け取り場所にはキャラクターを模した立体看板を置いて注意を呼び掛けている。

 

キャンペーンは大型連休で来島者が増加するのに合わせて、おもてなし観光課が実施。啓発チラシやパンフレットとともにマスクやキャラクターグッズなどの記念品を加えた200セットを用意して、鹿児島、奄美大島から到着した計3便の来島者へ配布した。

 

同課自然保護係長の米山太平さんは「希少な動植物と人との距離が近いのは徳之島の魅力だが、ロードキルなどが起きる原因でもある。連休で長距離移動が多くなるが、野生動物がすぐそばにいることを意識して安全運転に努めてほしい」と呼び掛けた。

 

徳之島でのアマミノクロウサギのロードキルは18年に19件と急増し、以降も2桁台で推移。21年は17件発生し、今年に入ってから4件が確認されている。