クロウサギ事故175件 前年上回り過去最多に 23年・環境省

2024年04月11日

 環境省は10日までに、奄美大島と徳之島で2023年に確認された希少動

交通事故が多発しているアマミノクロウサギ

物の死骸数と死因内訳を発表した。国の特別天然記念物アマミノクロウサギの死骸確認数は両島で計272件(奄美大島215件、徳之島57件)。うち交通事故死の件数は175件で、前年(148件)を上回り過去最多となった。犬や猫によるものとみられる捕殺事例も確認されており、同省は夜間の運転に十分注意をするとともに、ペットの飼養管理の徹底を呼び掛けている。

 

環境省は、希少な野生動物の生息に影響を及ぼす要因の把握や保護対策への活用を目的に、野生動物の死骸や傷病救護の情報を収集し、データの整理、分析を行っている。調査は奄美大島と徳之島で収集された固有種のアマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミが対象。

 

アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島にだけ生息する。環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類。2015年以降両島で交通事故の増加傾向が続いている。23年は奄美大島が147件で、過去最多だった昨年(107件)から大幅増。徳之島も過去2番目に多い28件だった。

 

国の天然記念物ケナガネズミの交通事故件数は計75件(奄美大島67件、徳之島8件)で、昨年(奄美大島27件、徳之島9件)を上回り過去最多。アマミトゲネズミは16件(前年比13件増)、トクノシマトゲネズミは2件(前年と同数)だった。

 

特に事故が多発している場所は、奄美大島では▽瀬戸内町道網野子線▽国道58号線役勝から網野子トンネルまでの区間▽県道79号線(大金久~今里間)▽県道612号線(役勝~篠川間)▽湯湾岳周辺の林道▽奄美市道朝戸和瀬線・和瀬城線|など。徳之島では▽県道629号線(手々~金見間)|など。

 

23年は希少ネズミ類の生息個体数増加に伴い、捕獲器などで死亡した事例が多発した。犬や猫による希少生物の捕殺事例も両島で確認され、奄美大島ではアマミノクロウサギ23件、ケナガネズミ9件、アマミトゲネズミ3件。徳之島ではアマミノクロウサギ8件、ケナガネズミ4件、トクノシマトゲネズミ5件だった。

 

捕殺確認数は車道での発見と回収が中心で、実際の捕殺頭数を表すものではない。山中で捕獲された猫のふんからは多くの希少種が検出されているほか、自動撮影カメラによるモニタリング調査でも希少種をくわえたノネコが多数確認された。環境省奄美群島国立公園管理事務所は住民に対し、ペットの犬や猫は室内で飼うなどの適正飼養の徹底を求めている。