地域活性化へ期待 観光拠点施設建設で説明会 徳之島町

2023年02月16日

世界自然遺産

多数の住民が訪れ、関心の髙さが示された住民説明会=14日、徳之島町の花徳生活館

徳之島町が同町花徳で建設計画を進めている観光拠点施設についての住民説明会が14、15の両日、町内の2会場で開かれた。環境省や町の関係者などが住民に対し、施設の概要や事業の基本方針などを説明。情報発信や地域連携など、地域で担う役割も示して建設への理解と運営への協力を求めた。住民からは建設に対して否定的な意見は聞かれず、地域活性化への期待の声が多数を占めた。

 

同施設は環境省が花徳で整備を進めている「世界遺産センター」(仮称)の敷地内に併設される予定で、「徳之島の自然・人・文化が島を伝え、心を育み、人を繋(つな)ぐ」がテーマ。

 

建物面積は約500平方メートルで地産地消推進のための物産販売所、加工所や郷土料理レストランなどが入る予定で、隣接地には島唄などの伝統文化を伝えるための屋外ステージ、イベント用広場(約1千平方メートル)も整備。▽島内のイベントや交通情報、災害時の情報提供▽島民が広く利用できる地場産品や加工品の販売所▽ナイトツアーの拠点-などとしての活用が期待される。事業費は概算で約5億円。2024年12月の運用開始を予定している。

 

14日夜は建設地近くの花徳生活館で説明会があり、住民約50人が来場した。高岡秀規町長は同施設が北部地区振興にとっても重要であることを強調。「島の自然と文化を発信する拠点となる施設。住民の方々もイベントなどで活用し、地域振興に一役買ってほしい」と述べた。

 

住民からは「ハコモノにならないよう完成後の運用やPRにも努力を」「周辺道路の整備を」などの要望が上がった。高岡町長は施設のPRに関して「SNS(インターネット交流サイト)担当を配置して積極的な発信に努めたい」と前向きに回答した。

 

前川集落の山口史区長(74)は「住民は施設の整備に対して期待する一方、どんな施設ができるのか分からずに不安も感じていた。説明で具体的なイメージがつかめ安心した」と話し、「人が集まり地域振興に役立つ施設になってほしい」と期待した。

 

15日は亀津地区の町生涯学習センターでも説明会があった。